カテゴリー: バンド

不良達の12回目の善行

東日本大震災復興支援チャリティイベントに出演した。
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『東日本大震災復興支援チャリティイベント』っていうとすごく大仰な催しみたいにきこえるけど、
ライブハウスでバンド演奏をするといういつものやつだ。

ライブハウス内で販売されているドリンクが一杯売れると100円、
カレーが一杯売れると300円が義援金として被災地に届けられるというシステム。

岩手出身の不良を中心に形成されたS.H.Eという不良バンドがもう12回も重ねている善行のひとつだ。メンバーチェンジを経て茨城出身の不良が混じり見た目のこわさが近年増している。やっていることは善いことだ。

そんな不良の溜まり場、新宿二丁目の地下にギター一本背負って歌いに行ってきた。

12回重ねられたこの善行のうち、私は11回参加している。
あの不良達に次いで一番あそこで義援金を巻き上げて回ったはずだ。

「飲めば飲むほどみんなハッピー」という飲酒の免罪符的なシステムゆえに。
曲と曲の合間に出演者が各々のスタイルでオーディエンスの胸を打ち、かつ財布を開かせるのがこのイベントの特徴だ。

だいたい大別すると三つくらいのスタイルがある。

■とにかくハッピーに騒ごうよ系
これが一番多いスタイルだ。そもそもドリンク+カレー義援金システムでライブハウスで楽しみながらというイベントなのでこのスタイルこそが王道。テンション上がってもう一杯、となるようなパフォーマンスができれば優等生不良だ。

ちなみにパフォーマンスが未熟だった頃の初回出演時、自らが飲みまくりこのスタイルを自給自足したバンドマンがいた。俺だ。つぶれたよ。

■震災の悲惨さを語り胸に迫る系
最近はあまりみないけど、東日本大震災からまだ日が経っていない頃に開催された時はたくさんの話を聞くことができた。被災地にゆかりのある出演者から各々のストーリーをステージで語ってもらいたい、というのもあの不良バンドの思惑にあるらしいから。思い出したり考えたり、初めて知ったりするバンドマン達のあの日の出来事。コト、と机にオイルライターを乗せた軽い音がするくらいに淡々と、悲しいお話を置くように話した人が過去にひとりだけいた気がするんだけど誰だか思い出せない。あれはなんかグッときた。

■震災の話題にはノータッチ系
「震災の悲惨さを語り」系の人たちが続いてなんか悲劇自慢っぽくなるのを避けてるんじゃないかっていうくらいそこには触れないスタイルもある。ライブハウスで鳴らす音楽だけで、というやつ。

亜種で「今日は義援金アレするから金だせや」と終始マネーの話で押し通すスタイルをとったバンドマンがいた。俺だ。引かれたよ。

健康で丈夫な体を持ちながら現地で重いものを運んだりしないくせに『復興支援』とのたまうからには集めなければならない。
マネーを。遠く離れた新宿の地下ライブハウスでの支援のデカさはマネーのデカさ。

バンドって誰かに頼まれてやってるわけじゃない上に、
やってるとそれなりに迷惑がかかる人もいたりするから。
バンドに限らないか。好きでやってること。弱音を吐いたら「じゃあやめればいいじゃん。困る人いないよ。っていうか減るよ。」で終わっちゃうような。

そういう好きなことをやって生きようとしてると
「ああ、やっててもいいんだ。」と思える瞬間に結構敏感になる。

自分が好きなことをやめずに続けてたから誰かのイイ感じの何かになれたみたいな出来事に。
不良達の12回目の善行もそういう出来事なのではないかと思う。
来てくれる人がいまだにいるっていうのもなんか「あ、善いコトしてるのかな」という気になれる。
これ以上自分を嫌いになるとまずい時とかそういうのはとても重要。

この日もドリンクやカレーが売れていて嬉しかった。
そして予想外の出来事が。

ステージから降りたらオレンジ色の紳士が「お疲れ様。これ、義援金に。」ってスマートに大金を手渡してくれて、俺しかいなかったから一瞬ネコババしようかと思ったんだけど岩手が今大変だし被災地に届けてもらうようにS.H.Eにたくした。ありがとうオレンジの紳士。

震災のあった年に池袋の地下でチャリティライブやった時も、俺らのステージの後に回した募金箱に大金を突っ込んでくれた人がいて。感謝の気持ちと共にその時のことを思い出して「まだやってるなぁ俺」ってなんか。ね。うん。

義援金の行き先とか詳細はS.H.Eが追ってアナウンスしてくれると思う。
S.H.Eのベース弾いてる不良のブログでそのひとつを見つけた。去年の春に届けた時の記事だな。121,908円。こういう感じになるから。

義援金を送ってきました(クズ海のブログ)

過去の義援金の事もちょいちょい公開されてるハズなんだけど探しづらいから今後は「これまでのみんなのイイ感じのアレ」みたいな寄付の記事とかまとめとけよ!そのまとめをいちいち告知に利用しとけ!

みんなありがとうな。

やらなきゃよかったようなことの中にあるやってよかった事とその逆。

春は新しいことに挑戦してみようみたいな雰囲気が漂っていて『行動』について語られたり考えを述べ合うような季節です。
なるべく前向きに、意識高めに。なめられないように。優位に立てるように。
「やってよかった。」という行動と「やらなきゃよかった。」って行動がある、という考え方には

「やらなきゃよかったなんて事は無い。捉え方次第で全てが君の糧になる。」

なんて反論が花粉と一緒に飛んでくるのが春というものです。

僕も時々思います。当時はやらなきゃよかったと思うような、我ながらクソみたいな選択肢を選んだけど後で振り返ってみると結果よかったのかな、みたいな事。
「なんであの終盤でボトル頼んだんだろう。」って便器を抱きしめながらハァハァと後悔している時を思い返して、なかば無理矢理に「でも陽気に騒いたことで『性格悪そうで無愛想なクズ野郎』が『酒癖が悪いゲボ野郎』くらいの印象にはごまかせたかもしれない。結果、これでよかったんだ。」なんて思えるわけがないじゃないですか。心配して歩道に引っ張ってくれた人の面倒さとかハンパないじゃないですか。

でも、お酒を飲みながら仲良くなった人は、大概そういうアレを差し引いても付き合ってくれる優しい人達だし、そういう優しさに甘えて大人気ない飲み方とかしちゃいけないなーっていう反省期間がひと月くらいは続いて大人しくなる事を考えると、全く無駄だったともいえないかもしれません。
「最初から飲むなよ。」の一言で片付く問題であることに目をつぶれば。
「やらなきゃよかった」の中には「やってよかった」が必ずあるんだ。
もちろんその逆もあると僕は思ってる。良い面だけを無責任に見せて押し付けるようなことはしちゃいけないからね。

『前向き行動論』は僕の酒臭い後悔なんて低レベルな話など対象にはしていないので、ああいうのはやっぱり悔いてしかるべきだと思うのですが、ちょっと勇気を出した行動、というのはやはり得るものというか「よかったなー」って思えるものになるんじゃないかなって思います。
そう、ちょっと勇気を出した行動。これですね。欲や劣等感や見栄に任せて選んだ行動とは区別すべきでした。

先日、三月の末日に『ひきがたりのひ』という気の抜けたタイトルをつけたアコースティックライブを行いました。
『入間川幸成プレゼンツ』ということで出演者を僕の独断で選ぶことができたのは先日お伝えした通りなのですが、あれはそれなりに勇気のいる行動でした。

実際には「ひさしぶり。歌いに来てよ。」ってメッセージを送るだけで、なんの苦労もない事なのですが、「ひさしぶり。食事でもどう?」よりもはるかに高いハードルに僕には結構勇気がいりました。
「なんで?」って返しても怒られないようなお誘いじゃないですか。食事はわかる。お腹空くし。
もちろん声をかけた5人のシンガー達は「なんで?」なんて返さないのはちゃんとわかっていたのでそこは安心なんだけど「すみません、ちょっとその日は別件との兼ね合いで夜は空けられなくて…。」っていうオブラートで包んだ「なんで?」でもおかしくはない急な申し出だったわけです。

もし仮に僕が、普段からベロベロに酔っぱらった彼らを介抱して家まで送り届けていたりしたものならもう少し恩着せがましく電話とかできたはずなんですけど、年単位で会ってないまさに疎遠な僕に快く応じてくれたわけです彼ら。「彼らがいいし、彼らならきっと無下にはしないだろう」みたいな甘えもあったけど、快諾してもらえてとても嬉しかった。ちょっと勇気を出してよかった。

結果、その『ひきがたりのひ』の夜は、出会った当初から僕に衝撃を与えた彼らが時を経てさらに力を増し優しさを備え少しおっさんっぽいのもまじったりしながら、思っていた以上のクオリティが届けられる1日になりました。お立ち寄りの皆様どうもありがとう。
「声の出し方忘れたかー?」と野次られる唯一の例外、入間川が伸びない声で一番大きく出たのは「ありがとう」であったと自負しております。伸びない声、の点においては本当に申し訳無く思っています。でも「オンマイクか?」とかきこえるMC中や「おやおや?もう残弾がないのかい?」なんて心の声を読むアンコール中の君たちの声が飛んでくるあの感じ、『内輪』と呼ぶよりは『アットホーム』と言った方が近いんじゃないかみたいな僕の好きな雰囲気でしたありがとう助かりました助かってないけど助かりました。

新しいことに注目が集まるこの季節、勇気を出して昔の縁に手を伸ばしてみてよかったと思ったよ。
そういえば春って更新の季節でもあったりしましたね。ぼくらのつながりの更新。
疎遠になってた人に声をかけて、楽しい時間を過ごすことができたっていう事実は、自分もちょっとはマシな人間なんじゃないかと思える自信につながって、またちょっとの勇気に形を変えるんじゃないかなと思います。本当によかった。やってよかった。

帰ったら少し吐いた。

ひきがたりのひ

イベントをね。
やるんです。
弾き語りをする人たちを集めて。
僕が好き勝手できて楽しめることをやろうじゃないか、っていつぞやか一緒に飲んだ時に店長に言ってもらったのです。店長の粋な計らいです。
あんまり多くはやりません。今後の予定も展望もないのです。じゃあこんなことをやって意味はあるのかということも気にはなるけど、じゃあ意味のあることってなんなんだろうと思うと、店長と飲んでいた時のような「なんか、疲れちまいますね。」っていう感じになるから、やっぱりこういう日に行き着くんだと思います。

ひきがたりのひ。

僕が店長から「春にでもやろうやー」って連絡をもらったその日に連絡をした5人です。
運良くみんなスケジュールの折り合いが良かったらしく、僕はうれしかったです。

まずは。

村上雄太。

入間川が弾き語りのイベントをやる時には大概いてくれる気がします。
というか僕がライブハウスに行くと大概ゆうたに会える気がします。
なんかみたことあるけど話ができる感じじゃない風な線分で構成されているライブハウスという場所で僕が「おおう、」と声をかけられる人がいるというのはとても大きな出来事だと思います。

全く見知らぬ人で構成されている場所よりも、
薄ぼんやり顔が割れている場所でひとりでいる時の方が「あ、ひとりだ。」って実感しやすいだろ。
それをぶちやぶってくるのがバンドマンだ。こっちの都合なんかおかまいなしにブワーっとくる。
それはステージから放たれる音楽かもしれないし、バーカウンターの前の乾杯かもしれない。
バンドマンの数少ない美点を挙げるとすればそんな感じだ。空気を読まない。だからこちらの空気が良くない時なんかは。バンドマンは悪くない。
ゆうたはそんな感じだ。ブワーっとくる。というか酔っ払ってる。酔っ払ってよくわからない事を言ってくる。だがそれがいい。

僕はゆうたと話をした記憶は結構あるんだけど、何を話したかは覚えてない。
だから、本当にどうでもいいことしか話してないんだと思う。たぶんゆうたもそうだと思う。
損得か色恋かみたいなのでデロデロしてるライブハウスの狭いコミュニティの中だと、気楽になれる話題ってそういうのだから。バンドマンはラーメンの話くらいしかツイートしないでしょう。きっとそうでしょう。執着してる損得や渦巻いてる肉欲とかエゴとかのちょうど隙間らへんで人に見せても大丈夫な辺り。それがラーメンだからでしょう。

ゆうたとラーメンの話をしたことはたぶんないけど、なんかそういう、ラーメンの話みたいなふわっとした感じでぶつからなそうな空気があるような気がする。だからゆうたとまた一緒にやりたいんだと思う。要するにバトルモードな『対バン‼︎』というイベントじゃなくて、ふわっと、ひらがなで表記するような感じのイベントがやりたい時には村上雄太という男には声をかけたいわけなのです。
そんな村上雄太の歌をおききいただきましょう。YouTubeで検索すると彼のアカウントでライブ映像がたくさんでてくるんだけど、どれがイチオシなのかわかるようにしといてほしい。「ようこそ!まずはこちらをごらんください!」みたいなウェルカム感くれよ。15分の動画を全部チェックして回るのは骨が折れるぜ。再生ボタン押しても曲が再生されないものだから、彼が歌うバンド『camome.』のMV貼るよ。

斎田宙如。
poroでカッコイイ人。
ライブの熱量が半端ないしなんか俺がモヤっと悔しい感じの曲をつくる男。
去年弾き語りイベントをやった時に「またやろうな!」って店長に言ってもらった時から「次はサイダ、呼びたいです。」って宣言していたのでこの実現は嬉しい。結構長いこと、会ったらあいさつはするみたいな関係で時々ライブハウスで遭遇してた感じなんだけど、時を経た今も全然変わってなくて、正直お互い「ぶっちゃけよく知らないんだけど。。」みたいな感はあると思う。間違いなくあると思う。でもよく知らないんだけどイベントに呼びたいと思わしめるっていうのはそれはすごいことじゃあないかい。

初めてライブをみたとき、フロアからステージに飛んでくるヤジ?ガヤ?的なやつが別種のものだった。内輪っぽい空気で応答がなされるんだけど、部外者の俺もなんか楽しくなる空気。「この人、愛されてんなー。」ってすぐにわかって一緒に笑っちゃうような。部外者を許容する内輪感が自然にあって。これどうやんだろ?って思ったりして、愛されてんなーが前提だから、愛されなきゃならん、愛されよう、愛されよう?きっしょ。無理じゃん。ってな具合で僕は諦めたような記憶がうすぼんやりあります。

二、三言葉を交わして「また、飲みましょう!」みたいな短時間のコミュニケーションでもそんな空気が伝わるあれは一体なんなんでしょうね。空気。そればっかだな俺。うん、空気で選んでるみたいなところがあります。音楽じゃねーのかよみたいなアレもあることでしょうが、ほら、音って空気を伝わって僕らに届くじゃないですか。なんかそれっぽいこと言った風だけど書いてて俺もよくわからないけどね。

バンドでキレキレの歌とギターでお客さん喜ばせてるけども。けども。声と曲がもうアレだから是非とも弾き語ってほしかった。バンドの映像を貼っておこう。poroは検索にひっかかりにくくて困るぜ。MVもおもしろかったりして好きだけどライブハウスで撮ったガシャガシャのやつの方がサイダ感出ててカッコイイからこっちね。

YUCCI。
「ゆっち」と読むのでしょうけど僕はゆきえと呼ぶ。
知り合って間もない頃のライブの打ち上げで「ブス」と面と向かって言った直後にものすごい速さで顔面を殴られて以来僕はゆきえが大好きなんだけど、同じイベントに出ててもあんまりしゃべることはない。でもイベントに誘ってほしいし、誘いたい。そんな感じで今月の初めにもゆきえが歌うバンド『S.H.E』が主宰するイベントに僕は呼んでもらって歌いに行ったりした。僕は自分が好きにキャスティングしていい機会を与えられてゆきえに連絡した。でもたぶんこの日もあんまりしゃべらないんだと思う。

そうだ、ゆきえが、バンドリハーサルで利用するスタジオの店員さんだった頃があって。超エネルギッシュな髪の色してるのに、ダウナーなスタッフゆきえとたまにエンカウントすると地味に和んだりしたんだけど別に何を話すわけでもなくなんとなく「おおう、」とか言ってスタジオに入るうちにライブハウスでみかけても僕から声をかけてもいいんじゃないかということに勝手にしているわけです。

ゆるっとだるっと話すものだから「建前か?本音か?」とか「僕はこの人を持ち上げた方がいいんだろうか?」みたいなことを考えなくてよくて心地よい空気をつくるようなあれがあるんじゃないかと思う。バンドマンって空気を読まない。持ってる空気で楽にしてくれる。そういうあれがゆきえにあるような気がして、だから彼女は女の子に好かれるんじゃねーかなとか思う。打ち上げでブスとか言ったけど歌ってるとマジで別人なんじゃねーかと思う不思議体験をいつもする。こないだのライブの時はなんていい顔で笑うんだろうみたいな瞬間が端々にあって、もう打ち上げで右フックをもらうことはないのかもしれないと思うと少し寂しい気持ちになりました。
ひとりで弾き語りをするのはみたことないから出演オッケーもらえて本当によかった。
そんなゆきえが歌うバンド『S.H.E』のMVはこちら。

岡本まさき
まさきです。いつの間にかバンド活動を開始していました岡本まさき。
弾き語りで結構長い付き合いです岡本まさき。
僕は車の運転をする時は高確率で岡本まさきのソロ音源をききます。
そのうちちょっと真似して歌ってみて、ああ、やっぱりダメだ、ってなってまたききます。
岡本まさきの何がすごいって、酒気帯びなのにものすごいクオリティで歌うことです。
僕の記憶の中のまさきはいつもお酒を飲んでいて、たぶんライブハウスがオープンする前からもう飲んでいて、「いるみーん!」とか言いながら駆け寄ってくる陽気な姿です。いつもいつも陽気で可愛らしく、お酒を飲んでいない時はつぶされてしまいそうな何かがいつもいつもあるのではないのだろうか、人前に持ち出したりみられたくはない姿の自分を持っているのではなかろうか、と心配になるほど陽気です。

だから僕はまさきとわいわい騒ぐのはとても好きです。でも僕が飲み始める頃にはまさきはだいたい眠ってしまっているので、一緒にお酒を飲んだ、ということは実はあんまりないんじゃないかと思います。それでもなんか楽しいのです。お店の隅っこでまさきは眠っているので話をすることはなくても、そこにまさきがいると楽しい何かがテーブルの上に乗るような気がするのです。なんかそういうアレです。よくわからんけど。きいてみて。

百瀬あざみ。

ここまででおわかりのように僕だいたいの出演者とちゃんとしゃべったことなくてお互い好きな食べ物すらも知らなかったりするような感じなんだけど、百瀬さんはマジで面識しかない。「あ、百瀬さんだ。」って俺がわかるくらいのアレしかない。ライブハウスならセーフ。街中で見かけて「あ、百瀬さん!」って声かけたらアウト。絶対彼女はビクッとして間合いを広げていくと思う。「あ、すみませんおどろかせて。あの、以前我々の企画にお呼びさせていただいた、Riverside Creatureというバンドのメンバーの者です。入間川っていいます。」くらい言わなきゃダメな感じだと思ってた。その間にじりじり距離を詰めようものなら彼女は俺の自己紹介を聞かずに走って逃げてただろうと思う。でもそれでいいんだ。そういうセキュリティ意識を持っててよかったって、俺は安心して近くの自動販売機で缶コーヒーを買って、CMに出てくる「頑張っててカッコイイ男イメージ」の主人公になったような脳内設定で開けた缶を見つめて、「女に声かけて逃げられたよあいつ…」っていう通行人からの目線をやりすごそうと頑張るんだ。

でもハコとか店長の名前出せば大丈夫な感じにならないかなーなればいいなーっていう希望的観測の希望濃いめで声をかけて出演オッケーもらった時は嬉しかった。俺、街中でもあいさつして大丈夫なんじゃないか、って思えたよ。百瀬さんだけは空気じゃないんだ。空気じゃなしに声をかけた。あーもう少しきいていたいなーっていう声に出会った時のことを思い出して。ライブハウスの名前を借りて自分が好きな人に声かけていいよって、店長から言ってもらえたアレを利用して「じゃあ百瀬さんもいっていいすか?」っていう勢いで連絡したらオッケーだった。よかった。

「声が綺麗な女性ボーカル、知ってます。」っていう話の流れで方々で名前を出したりしてるからご存知かもわからんけど改めて映像貼りますね。

そんな人たちを呼んで、歌う日。
ひきがたりのひ。

■3月31日(木)
MOSAiC × 入間川幸成 presents
『ひきがたりのひ』
斎田宙如(poro) / 岡本まさき(popolomonica) / YUCCI(S.H.E) / 村上雄太(camome.) / 百瀬あざみ /
入間川幸成(Riverside Creature)
OP/18:00 ST/18:30 [前]\1000 [当]\1500 +2Drink(\1000)
※座席形式となります。

18:00 OPEN

1.    18:30-18:55村上雄太(camome.)
2.    19:00-19:25斎田宙如(poro)
3.    19:30-19:55 YUCCI(S.H.E)
4.    20:00-20:25岡本まさき(popolomonica)
5.    20:30-20:55百瀬あざみ
6.    21:00-21:25入間川幸成(Riverside Creature)

ステージからピックを投げたらさむい事になるバンドマンの割合。

ライブで最後の曲が終わった後に。
ステージの照明を反射した小さな放物線の先にちょっとした歓声と、それを包囲するやや広めの緊張感。
ライブで生まれた一体感に波紋を落とすそのパフォーマンス。
そう、ピック投げです。

ピック(pick)は、ギターなど撥弦楽器を演奏するための道具。爪、プレクトラム(plectrum)ともいう。
(−wikipediaより抜粋)

プレクトラムって名前もあるんだと初めて知りました。
日々勉強ですね。

ギター弾く人間なら誰もが憧れるのがこのピック投げです。
ギターを始める動機ナンバーワンが『モテたい』である以上、
美しいアルペジオも、流麗なフィンガリングも、ピック投げの魅力には敵いません。

ステージの上からクールにピックを投げたら「キャー!!」な歓声。
ノールックで舞台ソデにはける。コレです。

ギターを始めた少年たちが本当に出したい音は、この「キャー!!」です。

私もギターを弾く人間の端くれですので、このピック投げへの憧れは常に抱いて生きてきました。
弾きたい。投げたい。キャー出したい。そんな煩悩を胸に研鑽の日々を過ごしてまいりました。

もしも私がベーシストとしてステージに立ったら、
きっとピックを持ってベースを弾くことでしょう。
『指弾きによるポジショニングや右手の指先の動きに見惚れる女の子が多い』
『指弾きでなければ得られないトーンがある』
などというのは百も承知の上でです。
それらと引き換えに狙わなければならない音が、私にはあるのです。

指弾きの先に注がれる熱い視線などよりピック投げに沸く歓声。
終演後の密かなLINE交換より打ち上げの一気飲み。
そういう愚直なキッズ願望にこそ、ステージの女神は微笑みかけてくれるのです。

だってそうじゃありませんか。
30分やそこらのライブハウスのステージで。
あのマイクスタンドに付けたピック並べてくっつけとくアレ、あんなにピック使うわけないじゃないですか。
もうアレなんか僕からしたら「ステージの女神様、微笑みかけてください。」っていうお守りアピールですよ。
「僕、ピック投げで『キャー!!』ほしいです。」の意思表明ですよ。

そんな大いなる憧れと、もはや信仰に近い思い入れが『ピック投げ』につきまとっているわけなんですよ。

そうなるにはちゃんと理由があってですね。

憧れのままに投げると、ものすごく、理想と現実との差に打ちのめされるからなんです。

僕、ピック投げの「キャー!!」って、生で目撃したのって数回くらいしかないんです。
あとは全部ディスプレイの向こうの世界。

目の前で行われるピック投げってこう、まばらなフロアにポトっと落ちたのを、
ステージの真ん前にいるそこのバンドメンバーの彼女っぽい人がそっと拾って取り巻きっぽい女の子と微笑み合う、それを後ろから対バンとかその関係者が生暖かく気恥ずかしげにチラ見するみたいなちょっとした哀愁が漂うものなんですよ。

もう全然ダメです。僕らはそんなののためにジャンプの裏表紙の通販ギターセットにお小遣いをつぎ込んだんじゃありません。

そんなのはステージの上なんかでやるもんじゃありません。

お前がこの街を出て行くって聞いて初めて自分の気持ちに気付いたんだけど今までずっと一緒にいたのに離れ離れになるってわかるまでお前が好きなんだって事に気付かないくらいバカで感謝の言葉も口にしない自分も見えないくらい今までわがままな俺だったけどずっと一緒にいてくれたお前みたいな奴にありがとうも言えずにケンカ別れする自分のバカさ加減にいてもたってもいられなくて謝りたいとかありがとうって言いたいとか全部俺の都合じゃねーかってのはわかっちゃいるけどそういうのとかどうでもいいくらいにお前に会いたくてずっと走ってきて息も切れ切れの俺をいつもみたいな優しい笑顔で見下ろしながらお前は何か俺の持ち物が欲しいなんて言って俺は何も持たずに家を飛び出してきたもんだからポケットをまさぐってもいつも使ってるボロボロのピックしかなかったけどそれを手にしたあいつは本当に嬉しそうに笑って電車に乗り込ん

みたいな渡し方のためにとっておくべきなのです。

『ピック投げ』とは、人気と実力を兼ね備えたプレイヤーがオーディエンスを興奮のるつぼに叩き込みステージを後にするその刹那にこそ成功する超高難易度な必殺技なのです。伴奏やソロの比ではありません。

地下のステージでその瞬間を追い求め技を磨き合う僕らは、おとなしくポッケにとっておきの一枚を忍ばせておくものなのです。
紳士が常にポッケにハンカチを携帯しておくように。

9割くらいかな。

叩いたり蹴ったりして音を出すカホンというセクシーな箱。

先日「あのBGM『二人』にはカホンの音を使っていてね。」という話をしたところ、カホンってなんなの?というリアクションでですね。

ふと思い返したら「確かにカホンって日常生活で使う機会無いよな。」とカホンの知名度を過信しすぎていた自分をね、知らず知らずのうちにカホンに重荷を背負わせていた己を省みてですね。

これを機にアコースティックアレンジではカホンに頼りがちな自分語りのついでに、健気に頑張ってるカホンの知名度アップに貢献したいと思った次第です。

Wikipediaによると、
「カホン(Cajón)は、ペルー発祥の打楽器(体鳴楽器)の一種。カホーンとも発音される。」

という楽器です。

スペイン語で『箱』を意味する楽器で、もうまんまですね。箱です。
箱と呼ぶ以外に方法がありません。箱です。

ご覧いただきましょう。

去年リバクリでカホンをライブに用いた時の写真です。
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画面右側、ドラマー五十嵐が座っているこの箱がカホンです。
箱ですよね。
これを叩いたり蹴ったりして音を出す楽器です。

持ち運びに便利なので、路上演奏に用いられたりします。
あとは結婚式で演奏する時も、会場の設備を選ばないのでアコースティック編成を組む時に非常に重宝します。
僕はバラードの曲を作る時に、カホンの音を打ち込んで静かにピアノやアコースティックギター、チェロの音と一緒に鳴らしたりするのが好きです。

演奏シーンですが、五十嵐の映像が手元になかったので、
YouTubeをご覧いただきましょう。

カホンを使うアーティストと言えば僕の中では→Pia-no-jaC←が一番インパクトがあります。

超カッコイイです。まずはなんのひねりもないコメントがポロっと出ちゃうくらい圧倒されますよね。
そしたら次に「うそつけ!」ってなりますからね。
カホンでこんな音するか!箱だぞ!って。
でも実際に叩いた音をミックスしたり、あるいは人間の手足でいけるところまで打ち込みで再現してみたりすると、いけるコトがわかります。

知名度どころか、カホンという楽器の可能性をものすごい勢いで広げていますよね。

こういうテクニカルな演奏動画を見たりもして、
「あ、カホンって指先使えば結構音数いけるんだ。」
と、パーカスの打ち込みの参考になったりします。

あとは「ヒールの高い靴でカホンをプレイする女の人ってすごくセクシーだな。」とか思ったりします。

本来女性が足を広げて座っているとイケてない感じになるのが、楽器演奏になった途端に素晴らしく魅力的に映えますよね。
チェロもクラシックギターもそうですけど。

意図された所作の一部として人の目に映るからでしょうかね。

これでカホンときいたら「あ、セクシーな楽器だ。」というイメージでもってこの楽器の音に耳を傾ける準備ができました。
路上や式場で見かけたら「知ってる?カホンっていうんだぜ。スペイン語で『箱』な。」とドヤってみてください。