外したくないこだわりが、的を遠ざける。

今日はもう新たに何かを始める気力が無い。
でもこのまま今日を終えるには惜しい。
映画を一本見て眠るくらいのちょうど良い時間。

みたいな時。

ネットの配信サービスの恩恵で、膨大な作品の中からすぐに選んで視聴ができるんだけど、
それゆえに「これ!」とすぐ決められないタイミングでも選び始められてしまう。

そしてすぐ決められない弱ったマインドの時ほど、
「外したくない」っていうこだわりだけが浮かび上がってて決断の邪魔をする。
外したくないという、少しでも良い結果を望む態度が、
結局サムネイルと概要を見て回る時間と、残りの気力を使い果たして理想から離れていく皮肉。

外す外さないは、見た時の自分の気分との相性もあるから。
映画一本決められない頭じゃあ、自分の今の気分を掴むのも難しい。

「これ面白そう!」って他のことは何も考えずに飛びつく時も、確かにあって。
その時と、決断できずに彷徨ってる時の違いは、やっぱり頭のヘロヘロ具合い。
「外したら途中でやめたらいいや!」とか「俺的ワースト映画リスト入りか!?」みたいな余裕は無くて、最初から最後までいい感じに自分を楽しませられたい。っていう横着さと欲の肥大化。

だからそういう時に、安定の名作が選ばれる。予想外の衝撃とか落胆よりも、既知の楽しみを緩く味わう。
一日の終わりは名作タイムに寄りがち。視聴する時間帯によって、選ぶジャンルが変わるのかもしれない。