空耳で気付く、遠ざかってた音。

空耳。

たまに起こるよね。

聞き間違えというか、別の言葉に聞こえるやつと、

耳の外側で鳴ったのか、内側で鳴ったのか少しの間わからなくなるやつ。
眠ってる時に耳元で「ザァッ!!」って爆音鳴って目覚めるの、びっくりするよね。

夢で聞いた音は空耳に分類されるのかしら。「夢で聞いた音」か。
聞いた直後に目が覚めて、どっちで聞いたかわからなくなる場合は空耳扱いにならないかな。

あとは、
実際に聞こえた音が、実際には聞こえてない音に聞こえちゃうやつ。
使い込まれた自転車のブレーキ音が遠くで鳴ると悲鳴に聞こえる、みたいな。

ゴミ処理施設のゴミをかき回す膨大な音の層がさ、ちょっと離れた場所からだと大量の鳥の鳴き声に聞こえるんだよね。駅前の大きな木の枝にびっしり停まったスズメみたいな。近づいていくと施設の作業音だってわかるんだけど。

空耳って、基本的に「空耳かな?」っていう疑問と一緒に存在するからさ。
あんまりハッピーじゃないんだよね。誤解だと困惑するしさ。
寝起きのやつはバクバクするし。

でも現実に存在しない音とか、もう聞くことができない音を聞くこともできるポテンシャルもあるからさ。
空耳に期待してはいるのよ。良い音に聞こえたら嬉しいじゃない。でも、まぁ、空耳なんだよな。ってなるんだけどね。