塩素系の消毒液の匂い。
キッチンハイターとか、キッチンブリーチとか、そういうやつ。
薄緑色のボトルにピンク色のキャップ。
淡めの外見にワンポイント。
「まぜるな危険」
この消毒液の匂いを嗅ぐと「勝った」感じがする。使い古した布きれを漬け置けば臭いがクリアされる。使い倒したカップに注いで放置すれば茶渋が消え去る。シンク下の排水溝の滑りやらカビやらも一掃。こいつを使い終わった時は、日々堆積した汚れがリセットできたような気になれる。
クリア。清潔。勝利。
実際に汚れがリセットできているのかはわからないけど。
身の回りにある日々使うそれぞれは意外に汚れているんですよ的な洗剤メーカーからの煽り文句に準ずると、次亜塩素酸ナトリウムから揚げたてのものは日々使うそれぞれの中で最も清潔になっていることであろう。
「塩素の匂い」と言ったらもう一つ。
夏のプール。
陽光と湿気で蒸れた刈りたての草の匂いのかたまりを、なめらかにスライスしていくような塩素の匂い。
プールの記憶がだいたい小学校の授業。
気温、プールの水温が事前にチェックなされた上で、水泳の授業が行われるか否かが当日の午前中にわかるシステムだった。
さらに当日の朝に体温を測って、保護者のサインと共に記したカードを提出しないとプールには入れなかったのを今思い出した。30年以上前とはいえ結構しっかりしてた。
そういう多方面からの「障害」の先に得られるプールの授業。小学生の頃は体育の授業はご褒美タイムでその中でもプールは格別扱いだった。期間限定。数多の発生条件。
そして辿り着く先で触れるのが塩素の匂い。
やった。今日はプールに入れる。そういう瞬間。
気温・水温チェックをクリアしているので大抵は快晴の夏日。
快晴。プール。勝利。
今日も消毒日和。