童貞ロックスター

バスケ部を1週間くらいで辞めて、軽音部に入った。
いろんなバンドのブルーハーツをたくさんきいた高校時代。

2階の渡り廊下にある5畳くらいの倉庫が軽音部の部室で、そこにドラムセットとかアンプが保管されてて、壁はラクガキでいっぱいだった。ライブハウスの楽屋みたいな壁だったよ。タバコの匂いがするのも似てた。

そこから3階の第一会議室っていう、普通の教室よりも大きい部屋に機材を運んで、放課後と、休日に時間を区切って部員同士で組んだバンドが練習してた。

期末テストが終わると、その第一会議室に教壇を運び込んでステージを作って、その上に機材を置いてライブをやるのね。暗幕も他の倉庫から借りてきて部屋の中真っ暗にして、ステージだけ照らして。
そこに友達呼んで、みんなで大声出したり暴れたりしてた。そういう定期演奏会と、あとは文化祭みたいな大きなイベントで体育館のステージで演奏したり。
「ここに立ったら、俺はもう大丈夫。」みたいなことを考えてたのを思い出したよ。立ってない時は何が大丈夫じゃなかったのかっていう話なんだけど、『取り柄』みたいなものに強い憧れを抱き続けて生きてるからね。たぶんそういう事なんだと思う。

ライブ中に体育館の床が抜けたこともあったよ。ステージ前にみんなが集まってそこで飛び跳ねるからさ。ちょうど板の繋ぎ目からパッカーンってね。その時はステージじゃなくて、その抜けた床の方にいたんだけどね。その年以降はライブ中のジャンプは禁止になったよね。

MDウォークマン持ち歩いていつも音楽きいてたこの頃を思い出してつくった曲。
引き出せた記憶と「こうだったらいいな」を足して、去年『よもぎのうた』をYouTubeにアップロードした後に、少しずつモデリングをし始めて映像にしたよ。

童貞ロックスター。
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