先輩のブルーハーツ。

THE BLUE HEARTSは、コピーバンドがライブでカバーしているのを聞く方が多かった。
高校の軽音部でバンドをやっていた頃は、ちょっと世代からは外れてるんだけど、
「リンダリンダ」とか「TRAIN-TRAIN」のブルーハーツの曲は、ライブで必ず誰かがやってた。

数ヶ月前まで中坊だった子たちがさ。高校に入学して、三年生の「リンダリンダ」を聞くでしょ。
「かっけぇ!なんだコレ!」ってなって、軽音部に入部。
三年生が引退するまで空気読んで他のバンドのコピーバンドとかやったりして、三年生の引退後にブルーハーツのコピーバンドで大暴れしたりするんだよね。
そんな彼らが三年生になって、二年半磨いた腕で、また新入生に「かっけぇ!」をぶん投げる。

そういう伝統が、もしかしたら今も続いてるかもしれない。ブルーハーツのコピーバンドやってる高校生、いるかな。いるよなきっと。
僕は同級生達とメタル道を歩んでいたから、その輪の中には入ってなかったんだけど、部内で継承される何かって美しいって思う。そうじゃないものもあるけどね。メタルに染まった後輩ができたらそれもまた楽しかっただろうな。

高校の部活って、小さいコミュニティで、さらに影響を受けやすいティーン達で構成されてるじゃない。
だから文化の伝播がすごく早いよね。仲間内だけの言い回しとかイントネーションがすぐに流行ってみんな使うようになる。仲間の証みたいに。
「〜じゃね?」っていう言い方を必要以上に使うのが特徴的だったのを思い出した。

コミュニティごとに喋り方とか仕草が似るよね。だからグループを選んだり選ばれたり、所属してる感じを持てるように振る舞ったり、ハブいたりハブられたり、色々大変だよね。このグループの内外の空気読みスキルが、後々の人生でも結構効いてくる。
純度が高くて、閉鎖的で、時々攻撃的。嬉しいも悲しいもパキッと鮮やかなティーンのコミュニティ。

そういう、染まりやすく純度の高いコミュニティなら文化祭が沸く定番の曲も「伝統枠」として残ってるんじゃないかと思ったわけなんだ。もちろん流行りの曲をやるバンドと入り混じりながらね。
THE BLUE HEARTSは先輩のカバーで受け継がれていく。