ちょうど良い意識の集中と分散で、考えすぎない考え事ができる時間。

包丁を研ぐ。
これはクイック掃除と違って手間がかかる。取り掛かるまでのハードルもやや高い。
でもこういうコストの高いものからは、良いものがもたらされるものでしょう。

水に浸した砥石から出てくる細かい音で真夏のプールを思い出す。何故かはわからない。
金属と石が擦れる音。
あまり力を入れると角度が定まらないからのんびり構えて研ぐ。
掃除をする時も、雑草を抜いてる時も「早く片付けよう」と思うとうまくいかない。だいたい早く片付かないからね。
「ここはいい感じにする」っていうエリアを小さく区切ってそこをのんびりやると、目的は果たされ達成感が得られる。

道具をメンテナンスするのって、使うよりも労力がかかる。知識とか経験が必要だしさ。
刃物の研磨もそう。上のレベルを見たらキリがないくらい奥深いんだろうな。上を見てるのに奥深い?空間が歪むほどすごい感じに思えるってことだよ。

だからこそね、道具のメンテナンスがうまくいくと気分良くなるんだよね。
包丁の場合は1ヶ月くらいは使うたびに「おお…良い。」ってなれる。
研いでる間は、ちょうど良い意識の集中と分散で、考えすぎない考え事ができる。

放置する期間を短く、マメに手入れすると毎回そんなに大変じゃなくなる。
メンテナンスを怠らない態度が少しは磨かれてますように。