脱力の自己ベスト更新。

あらゆる技術に『ちょうど良い力加減』ってものが存在していて。
なるべくそのちょうど良いラインを最低限の力で済むように下げて下げて下げに下げるのが、習熟というものではなかろうか、と考えている。

達人ほど簡単そうに行う、っていうのはどの分野でも言われるじゃあないか。

逆に、入門者はその力加減が全然わからない。
たとえばギターを弾く時に、弦を弾く力の強さが、1から100までの段階があったとして。仮にね。
この場合は30~40くらいで、こういう時は70未満はあり得なくて、100を超えない力加減で、超える分は顔で表現する、みたいに複雑な組み合わせを見つけて形を与えていくのが練習というものだと思うんだ。

それをあんまり考えなくてもできるようになって、考える時は敢えて違う力加減を選んでみる、みたいなところも含めて。

力加減の下限を更新していくと、1日に試行できる回数が増える。
始めた頃はガチガチで、すぐに痛くなったりするようなこともなくなる。
だから力の抜き方がわかると練習がたくさんできるようになる。

始めたばかりの場所からそれを眺めると、自分よりうまい人が、自分よりたくさん練習してる、って心が折れそうになる。
彼らよりも練習が必要な自分は、これだけでもうできなくなる!って。
違うのよね。上手くなった人も、そこは通ってるはずで。最大HPを地道に増やしてそこに至るわけだ。
最初の心が折れそうな時は、初めたてのピュアな情熱とか他の力の後押しもあって乗り越えてたりしてきただろうし、好きが過ぎて夢中で心を折るものなんか視界に入らなかったのかもしれない。

折れそうな時ほど、力抜くのが大事だよねっていうお話。目指す先にある理想の姿は力抜けてるわけだし。